ロボット開発は、その構成要素の多さから様々な開発のアプローチが存在します。近年、世界的にも研究開発の共通のプラットフォームとなりうる「Segway RMP」に代表されるような移動ロボットのハードウェアや、ミドルウェアを利用した研究開発が大変盛んになってきています。
これまでセグウェイジャパンでは、日本SGI時代からの取り組みとしてロボカップ※1におけるレスキューロボットの開発や、移動ロボットに関するロボット技術の研究開発を続けて参りました。2007年からは、つくばチャレンジ※2における屋外での走行実験への参加や、経済産業省の「21世紀ロボットチャレンジプログラム」の一環である「次世代ロボット知能化技術開発プロジェクト」においては、独立行政法人産業技術総合研究所の開発した「RT-Middleware」上で動作するソフトウェアコンポーネントの開発等に携わってきました。これらの研究開発を重ねていく中で、ハードウェアそのものの試作や、その試作機を用いた屋内外での実験には大変労力が掛かることから、プラットフォームとしてのハードウェアの提供に加え、コンピュータ上でのシミュレーションによるトライ&エラーの重要性に早くから着目してきました。
今回発表した移動ロボット向け環境シミュレータ「.env (ドットエンヴ)」は、移動ロボットを研究開発している全ての研究開発者に対して、「実環境でのトライ&エラー時間の短縮」や「開発自体の効率向上」に寄与できるものです。
「.env (ドットエンヴ)」はハードウェアのシミュレーションだけではなく、むしろ移動ロボットが移動しセンシングする「環境」のほうを仮想的な状態で提供することに注目しており、移動ロボット研究・開発で必要とするトライアンドエラーのための仮想センシング環境を提供します。
.env環境シミュレータに登場する移動ロボットは、シミュレータ内部の物理エンジンにより、タイヤが回転することにより生ずる地面とタイヤとの摩擦力によって前進します。RMP200に代表される倒立振子制御の移動ロボットは、倒立振子の制御が組み込まれており、姿勢を変化させることで重心移動をして加速減速を行います。その姿勢情報やエンコーダ値などの移動ロボットの出力するステータスは実機のものとほぼ同じプロトコルで実装されており、値のbit数などの精度は実機の精度に準じた状態で出力され、ソフトウェアで取得することが可能です。移動ロボットに搭載できるセンサーは、移動ロボットの研究開発に高頻度に使われるものが選定されています。それらのセンサーは物理運動をする移動ロボットに設置されてそのときの移動ロボットの姿勢に応じたセンサー値を出力します。また、レーザーレンジセンサ、カメラ、赤外線センサー、GPS等、センサーに対するセンシング対象が用意され、そのセンサーのその時の値を仮想環境上にリアルタイムに可視化し、センサー情報の直接的な理解を助けます。
| 【シミュレータの仮想環境内で実際のハードウェアと同様に動作するRMP200台車、RoboCar台車と搭載しているレーザーレンジセンサ、赤外線センサーの可視化の様子。】 |
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| 移動ロボットの各種情報と共に、移動ロボットに搭載するレーザーレンジセンサの到達範囲やカメラ範囲などのセンサー情報の可視化がされ、環境と移動ロボット、センサーの状態等を、全体的・包括的に把握した上での効果的な移動ロボットのアルゴリズムやアイディアの創出へ貢献します。 |
「.env (ドットエンヴ)」の対応するミドルウェアとしては「RT-Middleware」(独立行政法人産業技術総合研究所)、「ROS」(米国Willow Garage社)などのシステムミドルウェアとの接続性を持ち、これらのミドルウェアで動作する数多くのオープンソースを含めた様々なソフトウェア資産等と組み合わせることが可能です。ハードウェアとしては、「Segway RMPシリーズ」(米国Segway社)や「Blackshipシリーズ」(セグウェイジャパン株式会社)、「RoboCar」(株式会社ゼットエムピー)等に対応しています。また、「KARTO SDK 2.0」(米国SRI International社)の本シミュレータ上での地図作成機能等の動作も確認されています。.env環境シミュレータは他のロボットシミュレータのように開発環境を固定せず、様々な環境で利用できるよう設計されています。
ロボット掃除機等に代表される家電への技術の応用から、さらに高度な交通システム等へのロボット技術の展開が世界的にも期待されています。多くの開発者による一層の研究開発期間の短縮と、多様なアイディアの創出と具現化が求められている時代に、今回の「.env (ドットエンヴ)」が大きく貢献すると考えています。
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機能制限
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| 機能制限詳細 | |
マニュアル |
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シミュレータを使用して、デスクトップ上で初期ソフトウェアデザインと可視化されたセンサーデータを確認しながら基礎アルゴリズムの構築。そしてトライ&エラーを繰り返してアプリケーションの骨格を構築しました。 その後、実環境である走行実験場で実機でのチューニングを行うが、その時にはアプリケーション自体のデバッグや調整環境が完成されています。 実環境では実環境で必要な作業だけを行い、限られた実環境での走行実験の機会を最大限に活用しました。

RFIDタグをロボットが自動で読み取る前提で、まず.env環境シミュレータを利用して台車の移動アルゴリズム構築をしました。 続いてシミュレータの標準要素に追加して、仮想的なRFID読取り機とリフトの特殊追加対応(FAQ Q3参照)を行い、 RFIDタグの分布密度や環境の広さをシミュレータ環境上で定義しつつ、仮想環境上で効率よく移動アルゴリズムとRFIDの読み込みソフトウェアを構築。 その上で全体の自動RFID読取り移動ロボットのアプリケーションが構築されました。
1) 標準環境を使用しての移動アルゴリズムの構築 |
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2) RFID・リフトの特殊対応 |
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3) 構築されたRFID自動読み取りロボットのアプリケーション |
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RT-Middlewareは、さまざまなロボット向けソフトウェアモジュールを通信ネットワークを介して組み合わせることで、ひとつのシステムが構築できる環境です。
動画【RT-Middlewareによるシミュレータ環境での動作と、実環境での動作】 |
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RTC接続図
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次世代ロボット知能化技術開発プロジェクトにて開発された、追従ロボットのソフトウェアモジュール(RTC) は.env環境シミュレータを使用して開発されました。Camera/Scip2/Rmpのデバイスモジュール(RTC)が.env環境シミュレータと実機とに接続されることで、仮想環境と実機で全体の追従機能が動作します。 トライアンドエラーを伴う動作アルゴリズムの構築は.env環境シミュレータ上で行い、実機で実環境でのチューニングを行うことで開発時間を大幅に短縮できました。
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ROSのキーボードによる台車コントロールノード(/spawn_teleop_keyboard)と接続されたRMPのノード(/rmp)が.env環境シミュレータ内のRMP200と接続されています(A)。 |
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また同様にレーザーレンジセンサのノード(/scip2_node)も.env環境シミュレータと接続されています。 |
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シミュレータ環境(左)と、SRI KARTO SDK 2.0による地図作成結果(右)。 |
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独自SLAM&Navigationソフトウェアによるシミュレータ環境での動作と実環境での動作。 |
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産業技術総合研究所 |
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WillowGarage http://jp.willowgarage.com/drupal2/ja/pages/software/ros-platform |
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SRI International ※動作確認済み |
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(株式会社ゼットエムピー) |
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e-nuvo IMU-Z (株式会社ゼットエムピー) |
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SCIP2対応センサ:北陽電機株式会社 |
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【諸注意】 ※シミュレータの動作と同様のハードウェアの動作を保証するものではありません。 ※対応ハードウェアと同等の機能を有するわけではありません。 ※対応要素は今後追加されていく予定です。 |
\600,000 (税別)
Q1 製品のライセンスはどのような形式でしょうか。
A1 1ライセンスにつき1つUSBに装着するハードウェアドングルを購入時に同梱します。.env環境シミュレータを使用するコンピュータにハードウェアドングルを装着している場合のみ、そのコンピュータで.env環境シミュレータが動作します。
Q2 独自のセンサーや移動ロボットなどをユーザーが追加できますか?
A2 いいえ、できません。あらかじめ用意されたもののみ使用ができます。
Q3 目的のアプリケーションに必要な追加要素を.env環境シミュレータに組み込みたい場合はどうすればよいでしょうか。
A3 別途お問い合わせください。諸条件の上で承れる場合があります。 ( dotenv@segway-japan.co.jp )
Q4 シミュレータの内部周期はどれくらいでしょうか。
A4 通常およそ30Hzですが、処理内容によってこれよりも遅くなる場合があります。